顔は笑顔だけど
なんだか後ろに漂うオーラは
ものすごく不機嫌なんだけど・・・。

「どうした?
 言えないようなことなのか?」

「ち、ちがっ。
 憧れの先輩と話ができただけっ」

士狼の不機嫌が怖くて
早口で答える。

「・・・そいつは男か?」

「?そうだけど」

何でそんなこと聞くんだろう。

「そいつには近づくな」

いきなり言われて
ムカッとする。

「な、何でそんなこと
 言われなくちゃいけないの?!」

「いいから主人の命令だ。
 お前は誰に生かされていると思っている」

なんなのよ、一体。

「学校の先輩だし、
 生徒会長だもん。
 関わるなっていっても無理!」

そう言うとその場から
逃げ出す。

「おい!
 待て・・・」

後ろから士狼の声がするけど
無視して行く。

もう、せっかくいい気分だったのに
台無しなんだけど!

「何なのよアイツ」

いくら雇い主でも
プライベートに干渉する
権利はないと思う。

「ほんっといやなやつ」