コンコン
 
ノックの音がする。

泣きながら寝ちゃった。
顔がカピカピする。

「夕食の準備が
 出来ました」

「は、はい」

慌てて服を整える。
扉を開けると宗像さんが立っていた。

案内された食堂にはすでに士狼がいた。

「遅いぞ」
主人の席である上座にふんぞり返っている。
そのすぐそばの席には
黒髪に金色にも見える
薄茶の瞳の美少年がいた。

「えっと、誰デスカ?」

聞くと、

「チョコだ。会っているだろう?」

チョ、チョコってあの猫のこと?

きっと睨んでくる眼は
確かに見覚えがあるけど・・・。

「人間になれるの?」

聞くが美少年はそっぽを向いて答えない。
なんだか彼には歓迎されてないみたい。