「はあ、緊張した」

ため息をつくと、
ベットに腰を下ろす。

「一体何で
 こんなことに・・・」

全部信じた訳じゃない。
でも、
体が動かせなくなったり、
猫がしゃべったり
不思議なことが起こったのは確かだ。

「父さんも
 一言言ってくれれば」
  
そうは言ってみるけど、
言われたても信じたろうか。

「・・・多分、
 信じられなかったろうな」

明日からメイドとしての
生活が始まる。
  
「あ、そうだ。プレゼント」

寛人と莉沙にもらった
プレゼントを取り出す。

寛人からは、
私の好きな歌手のCDだった。

莉沙からは、
コスメポーチと手鏡。
莉沙とおそろいだって言ってたっけ。

何だか意味もなく
泣けてきてしまう。

私、心細かったんだ。
突然いろんなこと言われて。
  
でも学校に行けば
2人に会える。
それにあの王子様にも。
  
そのために
頑張るって決めた。