士狼が指を鳴らすと、
私の体は自由になる。

その感触を確かめていると
近づいてきた士狼に
抱き寄せられた。

「な、何すんのよ!」

「契約のしるしだ」
 
そういうと士狼は
前髪をかきあげ
私の額にキスをした。

「んっ・・・」

触れられた部分が熱い。

「これで、契約完了だ。
 ・・・これからが楽しみだ」

恐ろしく美しい顔に
意地悪な笑みが浮かぶ。
思わず見惚れてしまう
笑顔だ。


-こうして、
 私は悪魔のメイドになったのだった。