「俺の館には執事はいるが
 メイドはいなくてな。
 俺の館でメイドをすればいい」
 
・・・メイド。

「士狼様!そのような者
 遣わずとも私が!」

チョコと呼ばれた猫が言う。

「お前は私の使い魔だ。
 下働きなどせずともよい」

その下働きを私にしろと?
使い魔には睨まれてるし・・・。

「一応聞くけど
 断ったらどうなるわけ?」

「今日でこの世とおさらばだな」

イケメンはさらっと答える。
やっぱり・・・。

「労働力で払った場合、
 返済はいつ終わるの?」

「まあそれはお前の働き次第だが、
 ざっと40年といったところか」

「それじゃ返し終わったら
 もうおばちゃんじゃない!!」

ありえない。
人生の大部分が
借金の返済で終わるなんて。

「たかが40年だが
 人間にとっては長いか。
 まあ働きによっては
 短くもしてやろう」

素直にはい、
なんて言いたくない。 

でもそうしなければ
ここで私の人生は終わる。