高校生になる1ヶ月前、
私は天涯孤独になった。

唯一の肉親だった父は
小さな箱に収まった。

それほど仲のいい親子では
なかったけど、
ぽっかり空いた心の穴。
でも生きていかなくては。

幸い遺産で高校に通いながら
生活できるとわかったけど、
進学は諦めなくちゃいけない。

だから、せめて残りの
学生生活は楽しもうと
何とか整理をつけたあの日、
天涯孤独を嘆く暇すら
なくなってしまうなんて、
誰が予想できたろう。
それは私の理解を超える形で
嵐のようにやってきた。