アキ「あ、有里くんは?」
有里くんに心配かけまいと、無理して笑顔を作る。
アリサト「俺はバスケ
まぁ大体予想つくよね」
アキ「そうなんだ!
じゃあそろそろ見学の時間だから行かなきゃね」
今は1人になりたかった。
アリサト「あ、あぁ…
じゃあ行くね」
アキ「うん、行ってらっしゃい」
察したのか有里くんは私の前から去った。
…どーしよ。
専攻ないのにこの学園にいる意味なんか無いじゃない…。
あ…涙出そう…。
私は誰もいない教室で1人椅子に座っていた。
アキ「はぁ…」
音楽科の中で声楽じゃなくて歌に関する専攻、あったかな…?
??「?
そこの1年さん、専攻は?」
アキ「…?」
短髪でいかにもモテそうな男の人に話しかけられた。
…年上だろうか。
??「専攻は?」
ニコ、と笑いながら私に聞く。
アキ「声、楽…」
言わないと怪しまれると思い出した声は蚊の鳴くような声だった。
変に心配かけるかな…。
??「声楽!?
嘘、俺も去年まで!」
…はい?
その男の人から返ってきた言葉は、予想外のものだった。
