†有里咲月side†
俺がまだ小学生の頃、
女らしい名前のせいで一部男子から毎日のようにからかわれた。
中学生の頃は…
「だから背が伸びないんじゃない?」…なんて、
同じバスケ部の奴らから言われたりした。
でも、名前なんて自分じゃどうしようも出来なくて…。
母は俺を生んですぐ他界した。
父親は俺に
「お前の名前は最初で最後の母さんからのプレゼントなんだぞ
綺麗な名前だろ?」
泣きながらそう言っていたんだ。
だから名前で何かを言ってくる奴らが嫌いだった。
なんで…なんで彼女は分かるんだ?
アキ「…違うか」
俺は彼女の言葉に固まっていた。
何か電気が走ったような感覚…。
アキ「あ!でも…そんなに綺麗な名前、
嫌いなんて言ったら勿体無いよ?」
笑顔で言う彼女。
…記憶に薄い、母の顔に重なった。
