笑華…?
誰なんだ。

俺はこんな女知らない…。
何故俺の事を…?


俺が最初に感じたのは、悲しい気持ちよりも純粋な恐怖だった。

自分の知らないうちにこんな女と関係を?

そんな訳が無い。
だって…。


そんな記憶、どこにも無いのだから。



涼は失恋の悲しみから、笑華の記憶だけ綺麗に抜け落ちていた。

ただ、頭の片隅に違和感を覚えながら笑華の連絡先と受信メールを全て削除した。