外から聞こえた春の声
「ほら。お母さんも用意しなよ!」
「そうね…そうするわ」
「うん。行ってきます!」
お母さんに見送られて玄関を出る。
外にはあたしと同じで、真新しい制服を着た春の姿。
「おー。来たな!行くぞ!」
「うん!」
あたしと春が歩き始めた時
「姉貴ー!!」
振り向くとそこには息を切らした
弟の日向(ヒタナ)
寝起きで走って来て…
どうしたんだろ?
「ハァ……ハァ……薬忘れてる!」
「え?」
ガサガサとリュックをあさるけど薬入れは入ってない。
「明梨…お前忘れちゃいけないだろ…」
春は呆れてあたしを見た。

