「大丈夫だよ」

別に話さなきゃいいだけだしね
そうこっちから話さなければ向こうも絡んでこないでしょ

「そ」

総は一言゛じゃあ゛とそれだけ言うとカバンを持って教室を出て行った

相変わらず文字数少ない会話だなぁ
いや、慣れたけどもさ
そんなんじゃ他の人と会話成り立たないだろう

「さてと‥」
早く綾にいろいろ聞かないとと意気込んで帰ろうとしていると

「ねぇ、」

話かけられた

はぁ‥

1つ小さなため息を落とすと
無視するわけにはさすがにいかないので声のした方に振り返ると

「これからよろしくね、加賀美緒さん」

何故私のフルネームを知っているんだろう
いや、そこは一応同じクラスメイトだし当然か

「‥はい」
面倒くさそうに返事をする

多分態度悪いだろうなぁ私

「じゃあ、」
今度こそは帰ろうと矢神くんに背を向けようとすると

矢神くんにガシッと腕をつかまれた

え?
なんで私矢神くんに腕掴まれてるの?

プチパニック状態の私とは裏腹に矢神くんはニコッと笑うと

「島ちゃん曰わく俺と加賀さんこれから明日の授業の準備取りに行かなきゃいけないらしいんだけど」