その日の放課後
大事件は起きた
「このまま席替えするぞ-!」
それはSHR後担任の島ちゃんが唐突に発した一言が始まりだった
「マジで!やった!」
「俺後ろの席がいいんだけど!」
「由樹くんの隣になりたい!」
「由樹くんの隣になれるかな!?」
島ちゃんの一言で教室中はワーキャーと大騒ぎだった
うるさすぎだから
この雑音のような声に私は思わず顔をしかめた
男子は゛後ろの席がいい゛゛前は最悪゛とかそんな話題で盛り上がっていた
しかし一歩の女子はというと‥
゛由樹くんと隣の席に゛
゛由樹くんに近づきたい゛
゛もう由樹くんがいるならどこでもいい゛
‥‥
由樹くん由樹くん由樹くん‥
あんたらはそれしか言うことはないのか!
馬鹿の一つ覚えみたいにそればっかり
まったく解らないなぁ
私はアイツの隣だけは絶っ対嫌だけどね
と考えてふと隣にいたはずの綾をみると
バチっ
何故か゛矢神由樹゛と目があった
すぐ目をそらすと
軽くパニックになった
えっ
なんでっ?また‥?
‥たまたま目があった?
それとも‥
私を見てた‥とか?
いや、まさかね!
気のせい気のせい!
教室中を見渡すと
少し離れた所である人をみている綾の姿を見つけた
