WALL

和哉は買った菓子パンひとつとコーヒーを手に、いつもの中庭の芝生の上に座る。



(まさか……アイツが戻ってくるなんてな……)



遠い目をしながら、パンを無造作に口に押し込むと、コーヒーで流し込んで芝生に横たわる。



(動揺……しちまった。俺……情けない奴だな。今更、どうなる訳じゃないだろ)




和哉はと目を閉じて、口をギュッと結ぶ……。



(しかしアイツ……わざと俺の高校に? バカな……何を考えているんだよ)



和哉は、自らの脳裏に浮かんだある想いを打ち消した。



(俺は俺……アイツはアイツ…………それでいい筈だ)



そっと目を開き、青く晴れ渡った空を見ながら、和哉はそっと呟いた。






「冬矢の死……それに対する俺の答えは変わらない」