ごちゃまぜ短編集



「佐藤さん」

「は、はい……?」

後ろに振り向くと、問題集を指さしていた。

胸まで伸びた淡い栗色の髪に大きな瞳。

「ここ、わかる?」

「あ……わかります、えっと……」

一番窓側、一番後ろ。

彼女の隣は問題児の男子。

近くで聞ける人が前の僕しかいない。


「……ということです。」

「あぁ、そういうことなのね。」

納得、という感じに頷く。

「佐藤さんありがとうね。」

にっこりと笑う。

彼女の笑顔は僕でもどきっとする。

「いえ……」