家に到着したころには 午後9時半をまわっていた。 私は 「ただいま」も言わずに 静かに家に入った。 …すると。 『お帰り』 「ぅわっ!」 靴を脱ごうとした瞬間 目の前に陸斗がいたので 私は声を上げて ビックリしてしまった。 『帰り すげー遅いじゃん 仕事がたまたま 遅かったの? …それとも、わざと?』 陸斗が拗ねたように そう言ったので ギクリとしてしまう。