『肩、使ってもいーよ』 陸斗が自分の左肩を トントンと叩いて 合図しながら言った。 (えっ…!) 突然そんなことを 言われたので驚いて 一瞬、返答に困ったら。 『…別に いらないならいーけど』 そっぽを向いて 口を尖らせながら 陸斗がいじけたように そう言ったけど 「…いらなくなんか、ない」 私は直後にそう返答して 陸斗の左肩に そっと頭を乗せて目を閉じ まどろんだ。