―――気付いた時には、俺が支えていないと梨夏の身体は崩れ落ちそうなくらいになっていて。
貪っていた唇を、ゆっくりと離した。


上がってしまった息を調える梨夏も何かエロくて。
…もっと触りたくなる。


「………吉野のバカぁ…っ」


息絶え絶えに言葉を発する梨夏。
うるうると潤んだ目。
上目遣いの梨夏がまたヤバい。


…冷静になれ、俺。
ふぅ、と息をつく。


「…じゃあ、もう嫌いなんて言葉は言うな。」


静かに言うと、梨夏はぷぅと頬を膨らませて俯いた。
そして、ポツリと


「吉野が悪いんだもん…」


と呟く。
再び梨夏の目線が俺の目を捕らえる。
しばらく見つめ合った後、『…でも。わかった』と、ゆっくり頷いた。


「………今度からは“バカ”って言うことにする。」

「ぷ!…何だよそれっ」


梨夏の妙な宣言に、つい吹き出して笑ってしまった。
俺が笑ったのを見て、梨夏も顔を緩めて笑った。
ドキッと心臓が跳ねる。


……おい、それ誘ってんの?
かわいすぎだろ。