「岡部~。ラストチャンスは明日よ?その感じだと、どうせ連絡先とか知らないんでしょ?明日聞かなかったら、一生会うこともないかもしれない。後悔したくないなら、勇気出しなさい。」
「うっ…!」
ミキ先輩の真剣な目が私を捕らえる。
美人さんにこうやって見られると迫力満点だ…!
怯む私に、ニコッとミキ先輩が笑った。
「じゃっ。応援してるから、頑張って♪」
「へぁっ?ちょ、ミキせんぱ…」
ポンッと肩を叩かれて、先輩はスキップしながらロッカールームに入っていった。
私のことを真剣に考えてくれてるのは本当だとは思うけど、それ以上にこの状況を面白がってる気がする。
ほんと、ミキ先輩には敵わないな…。
私はハァと息をついて、シフト表の吉野の名前にツツと指で触れた。
…ラストチャンス?
確かにそうだけど…
急に、連絡先教えて、なんて言われても引かれるんじゃない…?
きっと、いつもみたいに、『何で?必要ない』って無愛想に言われて終わりだよ。
そうに決まってる。
そうとしか思えない。
…でも。
確かめたい。
何で、キスしたの?
って。
私のこと、どう思ってるの?
って。
少しは希望、あるのかな…?

