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――――この時期は何故か、バイト先でのトラブルが多かった気がする。
この日もそう。
――――バシャン!
「―――っ!」
お客さんがひっくり返したポットに入っていた熱湯が、運悪く私の足元にかかった。
「ごめんなさい!大丈夫ですか!?」
お客さんが慌てて謝る声が聞こえるけど、神経は足元に集中してしまう。
熱い―――!
…でも、お客さんに心配かけちゃダメだ!
私は必死に笑顔を浮かべた。
「大丈夫ですよ。お客様こそ、怪我されませんでしたか?すぐに片付けますから、お待ちくださいね」
「本当にごめんなさい―――!」
申し訳なさそうな表情のお客さんに、大丈夫ですよ、と言うように笑顔で頷いて私は裏に行く。
今はお客さんがたくさんいて、バイトのみんなもてんてこまいだ。
私がちゃんと対応しなきゃいけない。

