気がつくと背後に、頭上に、取り囲むように。

恭平達のいる室内に、無数の死蜂が飛んでいた。

どんなに籠城の覚悟を決めようとも。

どんなに一階の施錠を完璧にしようとも。

それは屍達を防いだだけに過ぎない。

元凶は何一つ防げてはいないのだ。

死蜂達は悠々と二階の窓から別荘内に侵入、嘲笑うように恭平達に接近し、その毒針を首筋に突き立てたのである。