「別に本当の事を言わなくてもいいんだ」

恭平は手にした猟銃の操作方法を確認しながら言う。

「仲間内で乱闘騒ぎになって死傷者が出ているとか、別荘に強盗が立て篭もったとか、とにかく警察が動いてくれそうな通報をしてくれればいい。後は『現実』を見れば、警察が自分で判断してくれる」

「う、うん、わかった…」

頷く美晴。

あとは…。

恭平は二階のバルコニーから階下を眺める。

…真っ暗な林の中で、蠢く人影。

恭平達を追って、屍達がノソリノソリと歩いてきていた。