とはいえ、港町からここに来るまでの時間は、恭平も美晴も覚えていた。

結構な距離がある上、船は漁船と然して変わらないようなものだ。

どんなに急いでも数時間はかかる。

ましてや夜だ。

すぐには連絡がつかないかもしれない。

朝まで何とか自力で持ち堪えるくらいの気でいる方がいいかもしれない。

「そんなっ…私達だけで朝まで…っ?」

美晴の顔面が蒼白となる。