だが、それは叶わなかった。

林に轟く銃声。

同時に一体の死体が仰向けに倒れる。

振り向く恭平と美晴。

そこには猟銃を構えた、現地の男性が立っていた。

別荘に雇われている現地人。

ハンティングを楽しむ為に別荘に保管されている猟銃を持ち出し、美晴達を心配して助けに来てくれたのだ。

『だから言わんこっちゃない』『林に近づくなと言ったじゃないか』などとイタリア語でまくし立てながら、猟銃で死体達を牽制しつつ、二人に逃げるよう促す。