歩く事さえ儘ならないような緩慢な、おぼつかない足取りで近づいてくるかつての仲間達。

こうなると、死蜂の行動は第二段階へと移行する。

寄生した肉体を維持する為には、膨大なエネルギーが必要となる。

小さな蜂の体ではなく、自分の何倍もある人間の肉体。

それを動かす為には栄養を補給しなければならない。

蜂蜜や花粉程度では足りる筈もない。

…肉だ。

生者の肉を食らう必要がある。

「嘘でしょ…みんな…」

にじり寄る、憐れな姿と化した仲間達。

彼らは食おうとしている。

友人だった恭平や美晴を。

肉体の維持の為に、糧にしようとしている。