恭平を先頭に、林の中へと分け入る。

昼間は気にならなかったものの、静まり返った夜だと、虫や野鳥の鳴き声がやけに耳につく。

突然、鳥らしきものが羽ばたく音。

「ひっ」

美晴が怯えたように、恭平の腕にしがみついた。

「別荘で待っててもよかったのに」

「だって…葵さんが心配だから…」

怖がっている事を笑われているのではないか。

そんな風に感じたのか、美晴は非難がましく恭平の顔を見た。