それにしても恭平の姿は見当たらない。

虱潰しに別荘の中を探すには限界が来ていた。

誰かに訊いてみるか…。

そう思って、バルコニーの近くを通りかかった時だった。

「!」

葵は慌てて身を隠す。

…バルコニーに、美晴と恭平の姿があった。

先程は美晴一人しかいなかったのに。

葵が探し歩いているうちに、行き違いになったのだろうか。