生まれてこのかた
僕は幸せになった
ためしが無い。

両親は事故で急死。

身寄りのなくなった
僕を祖父母は温かく
迎えてくれた・・・が


「おい、出来損ない」


左手の頬に痛みが走る。

僕はその場に
尻もちをつくと
おそるおそる上を見上げた。


「なんとか言えよ
何にも出来ない奴がいると
こっちも迷惑なんだ」


ここは中学校の教室
でも、助けなんてない。

僕はさっきの数学の授業で
出来ない問題を
出来ないと言っただけ

それなのに・・・。


「なんで殴るのさ・・・
僕だって悪気が
あったんじゃ・・・」


言いかけた途端に
蹴りがお腹に直撃する。


「うっぐ・・・」


出来なかったその後
すぐにこのヒヨシ君が
先生に立たされた。

その時の彼の目は
いじめる理由ができたコトで
嬉しそうに輝いていた。