パシッ 「で?…あたし、何かした?」 女があたしをビンタしようと振り上げた手を、あたしはつかんで止めた。 「ん?言ってみ?」 「…ッ…それはッ!あんたがあたしの彼氏を…!」 「その彼氏が勝手にあたしを好きになっただけでしょ?」 「………!」 ただの八つ当たりじゃん。 だるすぎ。 女は目を見開いて、ただ泣いていた。 まったく… その雄大って奴は、ブス専ってやつか。 あたしを好きになるとか… 物好きな男だなあ。 あたしは黙ってその場を去った。