「……虎は東雲だから、本当に望まれれば」
そう言ったけど、あたしの声は頼りなく揺れて、吹いてくる風に掻き消えそうだった。
雅も特待生なら、この言葉の意味が分かるはずだ。
あたしだって好きでもない相手と結婚なんかしたくない。
だけど、あたしには夢があるんだ……。
その為には、なんとしてでも、この東雲学院を特待生のまま卒業しないといけない。
たとえその中に虎との婚約ってものが含まれていたって。
いくら雅があたしを求めてくれたって、それは譲れない。
あたしは恋愛や学校生活を満喫するためにここに来たんじゃないんだ!
あたしたちは淡く白い月明かりが照らす中、静かに向かい合って立っていた。
春とはいえ、まだ夜の風はかすかに冷たい。
タイミングを計ったように、ひときわ大きな風が吹き、雅の金髪とあたしのドレスの裾をさらった。
あたしも雅もピクリとも動かず、真剣な表情でお互いを見つめていた。
「嫌だ。東雲でも何でも、虎之助に小町をやりたくない」
雅はあたしの向かいに立って、手をとって来る。
「あたしだって嫌だよ……」
17かそこらで結婚相手が決まっちゃうなんて。
「じゃあ、やめようよ。俺と結婚しようよ」
「あのねえ?」
あたしはあごを跳ね上げ、雅をにらみつけた。
どいつもこいつも……。
そう言ったけど、あたしの声は頼りなく揺れて、吹いてくる風に掻き消えそうだった。
雅も特待生なら、この言葉の意味が分かるはずだ。
あたしだって好きでもない相手と結婚なんかしたくない。
だけど、あたしには夢があるんだ……。
その為には、なんとしてでも、この東雲学院を特待生のまま卒業しないといけない。
たとえその中に虎との婚約ってものが含まれていたって。
いくら雅があたしを求めてくれたって、それは譲れない。
あたしは恋愛や学校生活を満喫するためにここに来たんじゃないんだ!
あたしたちは淡く白い月明かりが照らす中、静かに向かい合って立っていた。
春とはいえ、まだ夜の風はかすかに冷たい。
タイミングを計ったように、ひときわ大きな風が吹き、雅の金髪とあたしのドレスの裾をさらった。
あたしも雅もピクリとも動かず、真剣な表情でお互いを見つめていた。
「嫌だ。東雲でも何でも、虎之助に小町をやりたくない」
雅はあたしの向かいに立って、手をとって来る。
「あたしだって嫌だよ……」
17かそこらで結婚相手が決まっちゃうなんて。
「じゃあ、やめようよ。俺と結婚しようよ」
「あのねえ?」
あたしはあごを跳ね上げ、雅をにらみつけた。
どいつもこいつも……。
