絶対にみちゃダメ!

 音から少し遅れて、顔に勢い良く少し冷たい風が当たる。

 音で全員の気を引いて、窓を開ける時間を稼いだんだ!

 雅は腕を伸ばしてあたしの頭を下げさせた。

 月明かりに反射して、ガラスの破片がキラキラ地面に散って見えた。

 雅の履いている革靴の底が破片を踏みつける。




 そして、雅はヒラリと身を浮かせて柵を越え、テラスを抜けて庭に飛び出した。

 屋敷の中から大騒ぎしている物音が風に乗って届く。

 雅はあたしを抱えたままものすごい勢いで走りながら、ドンドン建物から離れていった。




 なんでこんな派手なやり方をするの!?

 どーいう神経してるのよ。

 正体がばれたらまずいんでしょうが!




 でも質問なんかしたら、舌でも噛みそうだった。

 走る動作にあわせて、ぐらぐら体が揺れるんだ。





 お屋敷の人が不振人物雅を捕まえようとするかと思ったけど、追っ手の気配は無かった。

 あれだけの人数のお客さんが居るから、あたしに構ってる暇が無いんだろうか。


 よくわからない。