絶対にみちゃダメ!

「小町をかえせ。小町は俺の婚約者だ!」

 虎は負けじともう一歩詰めてくる。



 っていうか、あたしまだ了承してないっての!


 虎のことも、雅の事も。

 なんてアンタ達はこう、人の意思を無視するの!?

 本当にどうにかしてる……。

 ついていけないよ。




「言っただろう、俺が先約だって。小町はもう俺が先に頂いちゃったんだ……」

 雅が顔を近づけてくる。

「ひゃっ!」

 あたしは身体を震わせた。

 雅が耳たぶを舐めてきたんだ。

 そして、後ろから頬に唇を落としてくる。




「ちょっと……」

 あたしが抗議の声を上げようとすると、

「なんだって?」

 虎がものすごく不機嫌そうな声を出した。

 拳を握って、ワナワナと震わしている。

「だから、俺が先に頂いたの。だから俺のモノ。虎之助のものにはならないよ」

 繰り返して念を押すように言って、フフンと雅は笑った。

 普段からは考えられないほど、挑発的なしゃべり方だった。