絶対にみちゃダメ!

──雅!



 声を上げようと思ったけど必死で飲み込んだ。



 びっくりして振り返ろうとしたら、身体に腕がまわってきた。

 ギュッと抱き締められる。

「小町は俺のモノになる予定なの。これ以上触らないでよ」

 この体制だとあのニセモノの胸の感触を味わいそうなものなのに、まっ平らだった。

 チャイナドレスを着ていたはずなのに、今目の前にある腕は……。


 しかもこの声!




 押さえつけられながらも必死に顔をねじると、黒いタキシードを着て、やっぱり仮面をしている雅がいた。

 あたしは至近距離。

 だから、窓から差し込む月明かりに反射して、仮面の下の青い瞳が見えた。

 サラサラ揺れる髪は金髪。

 あたしは吸い寄せられるように視線を引っ張られ、一瞬自分の置かれている状況を忘れそうになった。




「誰だよ、お前」

 虎があたしの腕をひっぱって取り返そうとする。

 男の子姿の雅は、すかさずあたしを遠ざけて、強く抱き締めてきた。

 男の子の体つきに、あたしは頭の中が沸騰しそうなほど恥ずかしくなって、金縛りにあったみたいに身動き取れなくなった。

「さあ、誰だろうね……」

 雅が笑う気配がする。

 だ、大丈夫なの?こんな大胆なことをして。