絶対にみちゃダメ!

「ふーん……」

 雅が妙に納得した様子になった。

 細いあごに長い指をかけて、何か一生懸命考えている。

 あれ?あたし変なこと言った?



「わかった。じゃ。俺の事、好きにならせる。そしたら、してもいいんでしょう?」

 ニッコリと雅が微笑んだ。

 甘い、超悩殺級の笑顔だった。

 この場に他の女の子がいたら、全員ぽーっと見とれちゃうぐらいの。



 でも、甘い!



 雅は男の子ならまだしも、女の子の格好をしている。

 それにあたしは免疫があるから、簡単にだまされない!



 だいたい、したいから好きにさせるってどーいう事よ。

 好きだからしたい……じゃないの?

 それで納得する女の子がいたら凄いけど、雅の笑顔で脳みそを麻痺させれば、簡単かもしれない。



 でも……。

 言った手前、嘘なんか言えなかった。

 多分雅は一度言い出したら、噛み付いてくるスッポンのようにしつこい。

 今までの経験で、あたしは嫌って言うほどわかっていた。

「いいわよ!やれるもんならやってみなさいよ」

 あたしは雅の迫力に負けないように、できるだけ強気に言ってみた。