絶対にみちゃダメ!

「知らない」

 雅が男の子になる時の、特有のちょっと平坦な口調で言った。

 女の子の格好をしているときは、結構明るいしゃべり方になるのに、男の子の時は無愛想って言っていいぐらいのしゃべり方になる。


 表情もそんな感じ。

 口調は優しいんだけど。


 ちなみに今はまだ女の子の格好だ。

 顔つきと口調だけ、男の子に戻ってしまっている。




 その雅が突然あたしの肩を押してきた。

 心の準備がなかったあたしは、布団の上に逆戻り。

 あっという間に雅があたしの上に馬乗りになってくる。

 深い片スリットから、すらっとした足が覗いている。



「ちょっと、どいてよ」

 あたしは眉間にしわを寄せて、雅をどかそうと腕を伸ばした。

 胸を押すけど、びくともしない。

 謎の柔らかい感触が手の平に当たる。

 本物だったらひるむところだけど、これはニセモノだから押したって構わない。


「どかない」

 雅はうっとおしそうにちょっと眉を寄せて、胸に伸びているあたしの両手首をつかんだ。

「離して」

「離さない」

 押し問答になって埒が明かない。