絶対にみちゃダメ!

 ふっと目を開けると、茶色い瞳が覗き込んでいた。



 あたしは柔らかいものの上に仰向けに横になっていた。

 何度か瞬きをして、身体を起こす。

「大丈夫?」

 起きるのに肩に手を添えてくれたのは、チャイナドレス姿の雅だった。



 心地よいオレンジ色の日差しが、大きく切り取られた窓から差し込んできている。

 あたしはベッドに横になっていた。


 寮にあるのと同じような、天蓋つきの大きなベッド。

 でも、ここのものはもっと年季が入って、重々しい雰囲気だった。

 縁に金の房飾りがいっぱいついていて、布はビロードで深紅。

 寮の淡いピンクや白の配色とは全然イメージが変わる。

 部屋全体がそういう、重厚な雰囲気で包まれていた。




 窓辺に置かれた飾りテーブルの上に、高そうなツボが飾ってあってこぼれんばかりに花が挿してあった。

 見覚えのない場所だ。

 ベッドの縁に雅が腰掛けて上半身をあたしの方に向けていた。



「あ?……何が起きたんだっけ」

 ふかふかの布団の上、ほけーっとイマイチ思考が定まらなかった。