絶対にみちゃダメ!

 と思ったその時。

 虎があたしをギュッと抱き締めた。



「こーまち、愛してるよ。結婚しような!」



 なに!?



「ほほほ、よいぞ。気に入った。虎之助の好きにしなさい」

「やったー!」


 やたら嬉しそうな陽気な虎の声。


 ってか、あたしの意志は?





 ……もうダメだ。

 お兄ちゃん、小町はもう頑張れないかもしれません。

 まだ4月なのに、こんなんで無事高校生活、最後まで駆け抜けられるのでしょうか。




 お兄ちゃんの笑顔が幻で見える。

 ああ、お兄ちゃん……。




 あたしの意識は限界を超えてプツリと途絶えた。


 ああ、あたし倒れてるわ……なんて妙に冷静に状況を察しながら、ものすごいざわめきとか悲鳴が入り乱れるのを他人事みたいに聞いていた。