しばらくいると、クラスの人間関係も分かってきた。

 まずは頂点のキング・東雲虎之助。

 それから、取り巻きの男の子、伊鈴たち。

 遠巻きに見ているほかのクラスメイト。




 そして、完璧に浮いている特待生のあたしと雅……そんな感じだった。

 雅はあたしには優しいし、虎には厳しいけど、他のクラスメイトには冷たかった。

 冷たいというか、一線を引いているという感じ。

 でも、その孤高の雰囲気に憧れるクラスメイトもいるみたいだ。

 雅はカリスマみたいな空気を持っているもの。

 美人さんだし。

 それに虎に乱暴な口が聞けるのは雅ぐらいだから、雅って凄い。



 意外にも、虎は俺様キングであっても、必要以上に王様風を吹かせてクラスを取り仕切ったりしてはいなかった。

 どちらかというと、仕切っているのは取り巻きや伊鈴たちみたいで、他の人たちはみんなどこか遠慮がちだった。


 それが、2-Aのクラスの雰囲気。

 他には2クラスあるらしいけど、交流がなかった。

 寮でも挨拶ぐらいしかしない。

 どうも遠巻きに見られていると思ったら、Aクラスってそういうものらしかった。

 要するに、選り抜きメンバーの集まり。

 スペシャルクラスなんだ。

 そんなのになんであたしが混じっているのか凄く謎だった。