絶対にみちゃダメ!

「早速ホームシックにかかっちゃった?」

 ギシとベッドが揺れた。

「あはは、そーみたい」

 あたしは鼻をぐずらせ、涙声で答えた。

 ヘッドフォンを外す。

 雅があたしのベッドに腰掛けてくれていた。

 様子が変だから見に来てくれたんだろう。



「すぐ慣れるよ。私もついているから」

 雅の優しい指先があたしの髪を撫でている。

 女きょうだいがいたらこんな感じなんだろうか。

 ちょっとハスキーで落ち着いた声を聞いていたら、少しだけ寂しさが軽くなった。

「ありがと、雅」

 今日知り合ったばかりなのに、雅は暖かい。

 お家がお金持ちだって、鼻にかけていないし。

 雅が同室でよかった。

 そう思った。





「ねえ、小町?」

 優しい声を掛けられ、あたしは目を覆っていた腕をどかした。

「やっぱり泣いてたんだ」

 雅が親指であたしの目元を拭ってくれる。


 なぜかドキンと心臓がはねた。

 続けて、ドッドッと激しく動き始める。

 な、なんで!?

 あたし、おかしくなっちゃったの?