絶対にみちゃダメ!

 気が抜けてきた途端、一日の疲れがどっとでてきた。

 お日様の匂いのするふかふかのシーツに顔をうずめているうちにとろとろまどろんできて、あたしの意識はストンとおっこちた。





「小町!そろそろ起きたほうがいいよ?」

 ゆさゆさと体が揺れ、あたしはまぶたを持ち上げた。

 どうやら寝ていたみたい。

 あれ、ここどこだっけ。


 ブラウスに長いスカートをはいているお嬢様っぽい格好の雅が、あたしの顔を覗き込んでいた。

「ありがと……」

 そうか、あたしは今日から寮に来たんだ。

 雅の姿をみて、ようやく自分の置かれた状況を理解した。

 のろのろ身体を起こした。

 大きな窓から差し込む太陽の光がオレンジ色に染まっていた。

 随分寝ちゃったみたいだ。



「ちょっと早いけど、ご飯を食べに行こうよ。私、おなか減っちゃった」

 雅が細いおなかの辺りをさすりながらそんな風にいう。

 そういえば、さっきテラスに行きたいって言ってたんだっけ。

 ずっとおなかが減っていたのかもしれない。

 つき合わせちゃって悪かったな。

「うん、じゃあちょっと着替えるね」

 あたしは制服のすそをつまみあげて、そう笑いかけた。

 身体を固めて寝ていたらしく、制服に思っていたよりシワはよっていなかった。

 変わりにあたしの体がバキバキになっていたけど……。