都内のマンションに住む男、ケイジは今夜も白く光る画面を見つめながら、何かを打ち込んでいる。
四角い枠の中にあるそれは、SNSサイトだった。
「今日は誰に話しかけようかな〜」
しばらく画面をゆっくりとスクロールさせながら、しげしげと友達リストを見る。

「どの子がいいかな~」
ページの下のほう。白いワンピースを着た若い女性の顔写真のあたりで、彼の手が止まった。
中途半端に伸びた髭を撫でながら、ケイジは眼鏡越しに画面を見つめる。
「よぅし。この子にしよう」


写真の女性は、にこにこと微笑むだけであった。