「なんだ、やっぱ知ってんじゃんかよ。」
「筧日向!そうだ筧日向だ!先輩方の噂になってた筧日向だ!!わー、すごい!筧日向って本当にいるんだ!かっこいい!本当に芸能人みたい!」
「うん…わかったからさ、そんなにフルネームで呼ぶなよ。日向でいいから。」
「わかった!!日向!!!!日向よろしくー!!!!」
「はあ…おう、よろしくな。俺は菜弧でいいよな?鏑木チャン。」
ん?それまでずっとルンルン気分だったあたしの動きはピタッと止まる。
「え?何であたしの名前?」
「さあ、何故でしょう?学校に着いたらわかるから。」
そう言って日向はスタスタと歩いていく。
あたしもその後を追い、学校に着いてからはクラスが違うため別行動。
――ガラッ
「あ、そうだ鏑木。さっき隣のクラスの筧君がお前の生徒手帳持ってきたぞ。これ無くなると色々と大変だから、次からは無くさないようになー」
といって新任の黒崎先生はあたしに生徒手帳を渡した。
あたしはそれを受け取り、席についた。
ほうほう…あいつはこの名前と顔写真であたしがわかったわけね…それで助けたと。
ん?なんか紙がはさんであるー。
えっと、なになにー?
【昼休み屋上。日向】
日向だー。日向、字うまいなー…

