「お前、危機感なさ過ぎだろ!
少しは見てるこっちの身にもなれよ!危ねぇだろ!わかんねぇのかよ!」

めっちゃ叫んでるこの人。
 イケボだなー…

「す、すいません…。」
「はあ…てか、お前、降りねぇの?」

彼に言われて外を見ると、もうあたしの降りる駅だった。

「あ、ありがとうございます!
じゃあ、あたしははこれで…」
「何言ってんの?一緒に学校に行くんだよ。
ほら、連れてってやるから。」

え!?えええ!?何故に!?

「……お前さ、本当にわかんないわけ?」
「はい?」

「俺、お前の隣のクラスなんだけど?」

「はい。…って、ええええ!?まじ!?ありえない!こんなイケメンいるはずがっ…」

……ある、ありますよ。そりゃもう。
なんてったって入学式の時に先輩方が

『めっちゃかっこいいのが入ったらしいよ!
名前は確かー…そう!筧日向君!あたし見たいなぁー!』
『あたし見たよー!すっごくかっこよくて、『芸能人?』って聞いちゃったー!』

とか言ってたような…言ってないような…

「…筧日向。」