自分が呼ばれたワケでもないのに興奮している友達。
「おはよぉ、前田くん」
満面の笑みで挨拶して来る河内。
急に心臓の鼓動が速くなる。
「お、はよ」
うわどもっちゃったよ。
恥かし……
「ちょっとさくら、早く行かなきゃ遅刻するよ。
あんあ歩くの遅いんだから」
苗原に手を引っ張られて歩き出す河内。
「はぁーい。
あ、じゃあまた教室でね、前田くん」
軽くてを振りながらちまちまと歩く河内の背中を見る。
「まじ可愛くねぇ?
俺惚れそうなんだけど」
友達の声でハッとする。
「てかあの子お前のコト好きなんぢゃねぇの?
満面の笑みだったぜ?」
その言葉でさっきの河内の笑顔を思いだす。
顔が熱くなるのが自分でもわかった。
「あ、あいつは俺なんかに興味ねぇよ。」
なぜか口から出た言葉。
自分で言ったくせに軽くショックを受けてる。
