彼に一番近くて遠い?
言葉が理解出来なくて、私は首を傾げるばかり。
私がジャンルを言わなかったから?
まさか、
この人に限ってそんな事は無い。
「俺...モデルが欲しい」
「はい?」
「最近の俺に足りないのって、やっぱ女だよね」
勝手に納得すると、簡単に書いた物語の原稿を破きはじめる。
私は突然の行動に、開いた口が塞がらないでいた。
「ちょっ、先生!?」
「先生なんて堅いなぁ、本名で呼んでくれていいのに」
集豪社の決まりで作家達は、ペンネーム呼びか先生呼びに固定されている。
たとえこの人のペンネームが本名だとしても、私は先生呼びを貫くけどね。
「ってか、編集さんになってからだよね」
「何がですか?」
「俺が遊ばなくなったの」
だから?
私に何を訴えようって言うのよ。
「だから、俺と遊ぼうよ」