この沈黙を、私にどーしろと言うのだろう。
この人は本当に、楽しそうに原稿を書く。
だからかなぁ?
一日も締め切りを落としたことが無い。
やっぱりこの人は、
彼は天才だ。
小説を書くために生まれてきた、天性の才能。
「...編集さん?」
「えっ?あぁ、すいません」
「俺が一生懸命書いてるのに、うたた寝?
やるねー。
将来大物の編集者かな?」
髪を直しながら、苦笑いを浮かべる私。
目の前の彼は、原稿をまとめながら爆笑していた。
「そういう一面があるから、編集さんはいいよね」
「えっ?」
「いや、こっちの話だよ」
彼はそういうと、時計を見つめて背筋を伸ばした。
もうとっくに夕方と言われる時間は過ぎている。
打ち合わせをしたのが昼前だから....
「凄い間、俺放置されてたな」
「す、すみません」

