君の為に放つボール


今日から約1年半前。


もみじの葉っぱが紅くなった頃、蓮也は逝った。



蓮也のママから電話を受けてあたしが病院に着いた時、蓮也はもうこの世にいなかった。




「どうして・・・。」




昨日お見舞いに来た時は元気に笑ってたじゃん。

冗談やめてよ。

なんでこんなに急なの?




「・・・っ、うぅっ・・・。」


眠ってるみたいって、よくドラマとかで言うけど、本当だった。

亡くなったなんて信じられないくらい、安らかな顔で目を閉じている蓮也。


「蓮也ぁ・・・。」


呼びかけたけど、もちろん返事はない。

「・・・凛ちゃん。」

蓮也のママがあたしの肩に手を置いた。

「蓮也は、十分生きてくれた。短い人生やったけど、精一杯生きた。」

あたしは蓮也ママの言葉を黙って聞いた。

「凛に出会えてよかった、って。凛ちゃんが来る5分くらい前に、蓮也が言ってはった。」

涙を拭いながら頷いた。





あたしも、蓮也に出会えてよかったよ。


あたし、蓮也の分も生きるから。頑張って生きるから。


空から見守っててね・・・?