「っわ..!!」

無造作に置いたのがいけなかったのか、教科書がバランスを崩して落ちてしまった。

慌てて受け止めようとしたものの、1冊しかキャッチできていなかった。

しかも。

「「......」」

千広くんの手が、私の手と重なった状態で。

千広くんの手はゴツゴツしてて、ちゃんと男の子の手をしていた。

って考えてる場合じゃないし!!

「ご、ごめんっ。」

慌てて自分の手を引いた。

ドキドキが止まらない。

予想外な事態まで発生してしまったからかな。

うん。

きっとそうだ。

「..花音さー。」

「なっ、なに!?」

思わずどもる私。

落ち着け、私。