そして迎えたバレンタインデー。
「春っ。はい、これ。」
春には甘いガトーショコラを渡した。
春は甘党だから。
「さんきゅ。」
微笑みながらそれを受け取ってくれた。
「あいつには渡した?」
「..これから。」
「そっか。頑張れよ。」
春はポン、と私の背中を押した。
「うんっ。」
千広を探し始めること15分。
「帰っちゃったのかな。」
そう思い始めたそのとき。
「ちひろくんっ。」
探していた相手と同じ名前を呼ぶ声が聞こえた。
もしかしてと思ってその声の元に行ってみると、そこには探していた千広がいた。


