受験生とか、気にしないっ。
バレンタインのチョコ作りに注いだ時間は、別のときに巻き返せばいいのだから。
「義理でも期待してる。」
春は嬉しそうにそう言うと、急に真剣な表情になって、
「..あいつにはやんねーの?」
そう言った。
あいつ..千広のことだとすぐにわかった。
「んー、迷い中。」
確かにあげたいという気持ちはあるけど、嫌いな人からもらっても嬉しくないだろうし。
何より、受け取ってもらえなかったときの気持ちのやり場がない。
そう考えると、どうしても躊躇ってしまう。
「あげれば?」
「うーん..」
「仲直りできるいいチャンスじゃん。」
「仲直りもなにも、嫌われてるし..」
あぁ..自分で言ってヘコむ。
「好きなら、チョコ渡すくらいした方がいいんじゃねーの?後悔してもおせーよ。」
「うん..」
そうだよね。
後悔するくらいなら、むしろもう当たって砕けたほうがいいよね。
「頑張れよ。」
そう言って春は頭を撫でてくれた。


