「どうかした?」
それが不思議だったのか、千広が私の顔を覗きこんだ。
「ぇっ!?いや、どうもしてないよ!!」
千広の顔は、近くで見ても綺麗。
何気にモテてるはずなのに、彼女を作らないんだよね。
そんな千広に顔を覗きこまれている私のドキドキは余計に上昇。
「ちょっとトイレに行ってくるねっ。」
そう言って教室を出て、トイレに逃げて、落ち着いてから教室に戻る。
そういう予定だったんだけど..
パシッ。
教室を出ようとしたところで、千広に手を握られた。
ダンッ。
そしてそのまま、私は千広と壁に挟まれた。
背中に感じる、千広の体温。


